皆さん、札幌近郊にある「北海道立図書館」をご存じですか?
聞いたことあるけど…学校関係者とかが利用するところ?
う~ん、確かに、ちょっと敷居が高いイメージがありますよね。
実は、 赤ちゃんから高齢者まで、道民なら誰でも利用できる図書館なのです 。
私も実際に利用してみたところ、一般ユーザーに優しいという印象を受けました。
今回、館内の撮影・掲載の許可をいただくことができましたので、さっそくその魅力をご紹介します。
北海道立図書館の概要
まずは、北海道立図書館がどのようなところなのか、概要を解説します。
大正15年:札幌市に行啓記念北海道庁立図書館として開館。
昭和26年:北海道図書館へ改称。
昭和42年:北海道立図書館として江別市へ移転。
参照:北海道立図書館パンフレット
かなり歴史のある図書館なので、これだけ聞くとやはり敷居が高いのかなと思ってしまいますよね。
しかし、基本方針の中の「道民みんなの図書館」というところに親しみを感じませんか?
私はこの3つの基本方針は、どれも北海道立図書館を表現するのにピッタリだと思いました。
具体的な内容については、後の項目でご紹介しますね。
約115万冊(札幌近郊では札幌中央図書館に次ぐ二番目の蔵書数)
うち25万冊は展示。残りの書庫に収めている資料は、職員さんにお願いすると出してくれます。
よく受付カウンターでは、利用者が司書さんに「〇〇の本、ありますか?」と聞いて探してもらっているのを見かけますので、気軽に相談できる雰囲気です。
また、これだけ多くの蔵書があるので、他の図書館への本の貸出もしています。
これが、「図書館の図書館」である所以ですね。
住所:〒069-0834江別市文京台東町41番地
北海道立図書館は札幌のすぐ隣にある江別市に所在し、車はもちろんJRやバスでもアクセス可能です。
各交通機関でのアクセス方法は下記の通りです。
自動車:札幌方面から来る場合、国道12号線を岩見沢方面に走ります。
江別市に入って間もなくすると、上に「旭川 岩見沢」、左に「大麻」と書かれた青い案内標識が見えてきます。そこを右折すると1分ほどで右手に道立図書館が見えます。
国道からの右折時、対向車線の車がビュンビュン来ますが、時差信号になっているので、向かい車線の信号が赤になってからゆっくり右折しても大丈夫です。
ちなみに、駐車場は無料でスペースも広めです。
JR:JR函館本線「大麻駅」より徒歩7分~10分程。
大麻駅は江別や岩見沢へ向かう路線です。新札幌や新千歳空港行きに乗らないようご注意ください。
大麻駅に着いたら南口から出ます。南口を出ると目の前は国道12号線になります。スマホがあれば下記のようにGoogleマップを設定して行くのが簡単ですが、無い場合は車と同じように12号線沿いをしばらく歩いて案内標識のところで右に曲がる道順が分かりやすいです。
バス:新札幌駅 JRバス10番乗り場から、「大麻駅南口」または「道立図書館前」で下車します。
但し、10番乗り場からは複数路線のバスが出発しているので、乗る際に運転手さんに「大麻駅南口か、道立図書館前に停まりますか?」と聞き、どちらのバス停で停まるのか確認しましょう。
停留所が「大麻駅南口」の場合は、JRで解説した道順と同じです。
もし、「道立図書館前」の場合、停留所と図書館とは数分の距離があります。国道12号線を背中にして歩くと、右手に図書館が見えますので、そこを目指して歩きましょう。
北海道立図書館に入ってみよう
図書館は二階建ての茶色と白を基調とした重厚な雰囲気の建物です。
自転車は建物の前に停めることができます。駐車場もすぐ隣です。
入口までは階段ですが、横にスロープがあり、館内に入るとエレベーターがありますので、階段が苦手な方も安心して利用ができます。
また、入口に可愛らしいサイズの郵便ポストがあります。
このポストが意外に便利で、私も何度かお手紙を送るのにお世話になったことがあります。
そして、入口には「Free Wi-Fi」のマークがあります。
利用するにはパスワードが必要となり、館内2階のカウンターで確認が出来ます。
本を読んでいる時は電子機器は使用しませんが、後述する「多目的室」でパソコン等を使用する時に便利ですね。
館内に入るとすぐに、消毒・検温があります。
以前は職員さんがいましたが、現在はセルフサービスになっています。
利用カードを持っている人は機械にかざして中に入るので、すぐに出せるようにしておくと良いでしょう。
ホールにはコインロッカーがあります。
お金が戻ってくるタイプなので、気兼ねなく使えますね。
また、館内案内図もわかりやすい場所にあります。
リーフレット等が置かれている棚の壁には、JRとバスの時刻表が貼られています。
最近はスマホなどでも時刻は確認できますが、このように一目でパッと時間が確認できるのは便利ですね。
時刻表の下にあるひまわりが、なんとも可愛らしいです。
そして横を見渡すと…「あっ!七夕飾り!」
職員さんが用意してくれた笹に、子どもたちが願い事を記入した短冊が、たくさん飾られています。
こういった、参加型の展示って子どもたちは喜びますよね。
職員さんの遊び心とお心遣いに、気持ちがほっこりとします。
せっかくなので皆どのようなお願い事をしているのか見てみると…お、子どもたちの多くが、コロナが早く収束することを願っています。私利私欲にまみれた大人…いや、私とは大違いです。見習わねば!
1階には、ロビーの他、えほんコーナーと休憩スペース、そして図書館学資料室があります。
一番左にある研修室は一般解放されていませんでした。
早速、えほんコーナーから見ていきましょう。
赤ちゃん向けの本がたくさん並んでおり、ちゃんと床に座れるようになっています。
これなら、赤ちゃんをお膝抱っこしながら読み聞かせもできますね。
オレンジと緑のクッションは、くつろげそうでいい感じです。
そして、その隣には子ども用の机と椅子があり、幼児向けの本があります。
子ども用の椅子は小さいお子さんが座りやすいサイズになっています。
ここでたくさん本を読んだり借りたりして、お子さんが気に入って何回も読みたいと思った本を、書店で購入するのも良いでしょう。
えほんコーナーは一般書のフロアーとは別なので、気兼ねなくお子さんと過ごせますね。
なお、児童書は一般書と同じフロアーにあります。
続いて、休憩スペースをのぞいてみましょう。
館内で唯一飲食が可能な場所となっており、テーブルと椅子、その奥にはソファーもあります。
ちなみに、ジュースの自動販売機は図書館入口横にあります。
突然だけど、ここでクイズを出すよ!
休憩スペースにある、「子ども達に人気のあるもの」とは何でしょう?
なんだろう…
答えは…
ジャーン!!
公衆電話ボックスでした!
携帯電話やスマートフォンが普及して以来、公衆電話がどんどん減りつつありますので、最近は公衆電話を見たことのないお子さんも珍しくありません。
職員さんのお話によると、興味津々な子どもたちで賑わうこともあるとか。笑
ボックスのデザインもこげ茶の木製、レトロな感じで素敵ですね。
また、電話機の上の壁にはタクシー会社の番号が貼られているので、車以外で来た際、帰りは疲れたという時に便利です。
さぁ、次は階段を上って…おや?下へも階段があります。ちょっと行ってみましょう。
ここにも本がたくさんあります。
図書館に関する資料のほか、本の著作・編集、出版に関する本や雑誌があり、一般の人も利用できます。
あまり馴染がないかと思いきや、ほぼ日手帳の使い方など、案外身近な本があったりします。
そろそろ、上の階に上がってみましょう。
あ、階段途中の壁に飾り棚。
北海道博物館など近隣施設のパンフレットの他、ここにもかわいいお花、そして、おしゃれな写真立てが飾られています。
アジサイとひまわりが夏を感じさせますね。
追記:秋に確認したところ、お月見バージョンに変わっていました。
他にも館内のあちこちに、こういった季節を感じさせる可愛らしい飾りがありますので、来館した際にチェックするのも楽しいですよ。
さあ、中2階に着きました。
目の前には新設された「多目的室」があります。
ここは自習スペースで、教材や資料の持ち込み可のため、特に学生さんに人気です。
中は広くて明るいスペースで、勉強がはかどりそうです。
壁際の席には、一席ずつコンセントが設置されています。
訪れた日がちょうど平日の夏休み中だったため沢山の学生さん達が勉強をしていましたが、まだ席に余裕がありました。
皆さん熱心に勉強をしており撮影するのがはばかられる雰囲気でしたので、多目的室の外にある同じような机と椅子を写真に収めました。
おしゃれな雰囲気ですね。
続いて、2階へ行ってみましょう。
階段を上ると目の前には「THE 図書館」という感じで、たくさんの書棚に様々な分野の本がぎっしり並んでいる景色が広がります。
そして、左前方には、時期によって決められたテーマで本が展示されています。
今回は夏休みだから、「北海道青少年のための200冊」から小学生を対象にした本が多数展示されていました。
随時公式ツイッターで情報が更新されているので、興味のあるテーマがあるときに行くのも良いでしょう。
そして、階段右手には、図書の検索機と本専用除菌ボックスが設置してあります。
検索機は、このほか複数台あります。
除菌ボックスは、本を入れてスイッチを押すだけという手軽さ。
45秒待てば、紫外線が除菌してくれます。今の時代に適してますね。
一般資料閲覧室の奥には、個人閲覧室があります。
ドアはありませんが、区切られた部屋なので個人の空間が保てます。
写真では椅子が2つありますが、1つの部屋もあります。
なお、利用する際は、必ず受付で申込しましょう。
ここは特に中高年の男性に人気があるようで、中には10冊以上の本を山積みにして読書している方々も時々見かけます。
また、ここは時間制限はありませんが図書館の資料以外の持ち込みは禁止されていますので、勉強する場合は中2階の多目的室を利用しましょう。
個人閲覧室向かって左側には開架書庫入口があり、開架書庫へ続く廊下があります。
さっそく行ってみましょう。
入口に入って廊下を渡ると、開架書庫です。
ここには、道外の県史・市町村史コーナーや様々な分野の企業の社史コーナーを設置しているほか、一般資料閲覧室には陳列しきれない本が山のようにあります。
もちろん、難しい本ばかりではなく気軽に読める本もたくさんあります。
まさに北海道立図書館の醍醐味、本好きにはたまらないですね。
個人閲覧室の向かって右側には、北方資料室へ続く入口があります。
この先は2020年に新設されたばかりで、グレーを基調とした明るい空間です。
ここには北海道の公文書など、歴史に関する文書や記録が保管されています。
そして、ここにも検索機があります。
真新しい机と椅子など最新の設備が整う空間で、落ち着いて資料の検索ができますね。
また、利用カウンターには職員さんがいるので、探している本や資料のコピーなどについての相談ができます。
本を借りるには?
まず、利用登録をしましょう。
2階のカウンターで、住所と氏名が確認できるものを提示すると、その場で「利用者カード」を発行してくれます。
他の図書館のカードを持っている場合も、北海道立図書館の「利用者カード」が別途必要です。
道内にお住まいの方、または帰省先・勤務先がある方はどなたでも登録できます。
普段、北海道内に住んでいなくてもOKなんだね!
お一人につき10点まで、15日間借りることができます。
※一部の資料には貸出制限あり
10点も借りられるなら、シリーズものを一気に借りることも可能ですね。
続きがすぐに読めるって幸せ~
1階えほんコーナーや図書館学資料室等に置かれている本は、2階のカウンターで貸出手続きをしますが、北方資料室の本は、北方資料室のカウンターで手続きをします。
全て合わせて、お一人につき10点となります。
また、2階カウンター横には、セルフサービスで本を借りることができる機械があります。
利用者カードをかざして本に貼られているバーコードを読み取るだけなので、初めての人でも使いやすく、カウンターが混んでいる時に便利です。
まとめ
本日ご紹介した内容をまとめます。
- 車以外にも、電車やバスでのアクセス可能。
- スロープやエレベーターがあり、本探しのお手伝いをしてもらえるので、図書館の利用が不安な人も安心して利用ができる。
- 赤ちゃん用の絵本から歴史的な資料まで、何でも揃っている。
道立図書館のナビゲーション、いかがでしたでしょうか。
今回、館内の撮影にあたり協力いただいた担当者様が、職員さんが作成した七夕飾りやお花のことをお話する際、とても良い笑顔をされていたのが印象的でした。
建物自体は年数が経っていますが、このように職員さん達によって大切にされているためか、とても居心地良く感じました。
また、職員さんの多くは本が大好きで、特に、カウンターの司書さんは本選びのプロなので、困った際には相談に乗っていただけるそうです。
ぜひ道民の皆さん「北海道立図書館」へ行ってみませんか?
最後まで読んでくださりありがとうございました。
※休館日については、必ず公式サイトでご確認ください。
※緊急事態宣言中は閲覧室などの利用が停止されますので、ご利用予定の方は公式サイトでご確認ください。